盛岡機屋での珈琲合宿覚書 その②

盛岡から帰ってきて1か月強たちました。

だいぶ書くのが遅くなってすみません。

3日目編

========7月16日

3日目は、朝早く起きてまかないの準備。

いつもやってる鶏がらのシンプルラーメン。

 

こんな感じでスープを仕込みました。

ラーメン仕込み

ラーメン仕込み

10人前のスープなんて初めて作った。

一時間ぐらいで、ずーーっと煮込んでいればいいかなという段階になる。

それから、朝食まではずーーっと抽出の練習をしていた。

機屋の抽出の感覚をつかむのに必死です。

何度やってもなかなか難しいっす。

機屋のスタッフはみんな平然とやっているが、全然ダメだなぁ・・・

 

その後に僕が焙煎したものと、関さんが焙煎しいたものについての会話。

これがかなりエキサイティングだった。

というのも、関さんもコーヒーの味わいを抽象的な図に表して説明したからだ。

コーヒーを創造している人たちならだれでもこんなイメージで・・・と思い浮かべながらすると思う。

それは味わいであったり、世界感であったり・・・人によって様々だと思う。

 

課題豆は2種類で、「ウガンダ09’」と「タンザニア スノートップ95’」

関さんとの会話で・・・

その時のオリジナルメモはなくしてしまったけど、こんな感じ。

コーヒー抽象イメージ

コーヒー抽象イメージ

こういう図形で説明。

逆にこういうものの方がわかる。

それに関さんの感覚を理解するうえで非常に助けになる。

コーヒー抽象イメージ2

コーヒー抽象イメージ2

 

関さんがこのような図形でコーヒーを説明できるというのは、

コーヒーを抽出するときにどのように淹れるべきかをイメージしているからなのだろう。

浮彫にするような抽出だからこそ、的確に焙煎豆が持っている要素をとらえ、

「どのように淹れるか」をやっていく。そういう一連の流れがあるからだろう。

味の調整を抽出の段階でも積極的に行なっているというのが、新鮮な驚きであった。

 

味わいのチャートでコーヒーを作る人たちもいるだろうが、こういうものはもっと感覚的世界の産物だと思う。

だからこそ、普段関さんがこういうものをイメージしてコーヒーを焼いているかは別にしても話が通じるのだと思う。

 

また何回かカウンターの中でコーヒーを淹れていた。

そんなこんなで、まかないの為にラーメンを作ったり、なんだかで午前中は終了。

午後からは盛岡のクロステラスというところでコーヒーの座談会を行なうというのでついていきました。

ショッピングモールのスペースで、お客さんにコーヒーを抽出してもらって、コーヒーについてのあれこれを簡単にしゃべるというもの。

ここで大変に驚いたのは、関さんがペーパードリップでコーヒーを抽出している!!!

しかも、ハリオではなくカリタの3つ穴タイプ。

これは関さんの抽出スタイルから考えると納得できる。

関さんのネルは浅めで縦なが。

抽出はポットを動かさずネルを動かすタイプなのだが、円運動というか楕円運動で、全体に浸透させていくイメージ。

 

カリタの3つ穴も浅めで縦長なので、そうした抽出にあっているものだと思う。

 

実はこのとき、ぼわぁーっと眠たかったって正直に白状しますが、そのためにお客さんにどんな方法を説明したのかは、ちょっと記憶になかった。

 

それからお店に帰ってきて、関さんの機械で行う焙煎を見せてもらう。

関さんの使っている釜は半熱風式のブタ釜と言われているものだ。

直射日光は入らないが、わりと明るい環境の下で焙煎が行われている。

で、この焙煎を見せてもらったのは、今の自分にとって非常に大きかった。

基本、火力はあまり変えない。

最後のほうで少し落としてダンパーを閉める操作をしていたが、これはあまり参考にならなかった。

まぁ釜の性能や環境が全く違う。

何が参考になったのかは、温度計を一切見ないで、「香り」でとる焙煎がどういうものかを体感したことだ。

ブタ釜を開けてテストスプーンで豆を取り出すと、香りのニュアンスがとーーーってもわかりやすい。

明確に伝わってくる。

・・・はぜるだろ・・・ここで凪いで・・・・ここで開く

みたいな感じです。

香りの移り変わりというのもあるが、波のように強くなって香りが開いてくる。

そういう潮をとらえて、焙煎を見極めていた。

もちろん豆の面も結構観察をしていた。

 

最初は何言っているのかよくわかんなかったけど、2度目でなんか言っていることがわかった。

これは非常に参考になりました。

(実際自分の釜でやってみたら、やはりあった。ブタ釜ほどクリアな香りではないが、そういう変化が何度もやってとらえられるようになった。

どういうときにどういう味かはまだ経験が必要だと思います。)

これはきっと後々大きく役立つと思う。

香りが甘くなるんだよ・・・と関さんはいつだか、手網焙煎の判断でそういうようなことを言っていたと思うが、

だいたい豆を焼いていると甘い香りがしてくるのであんまりピンと来なかった。

でも今回見せてもらったおかげで「焼いている時間変化のなかで、甘くなってくる」っていう感じだと思った。

変化。潮。これをとらえるって感じのことなんじゃないかなぁと今の自分では解釈しています。

 

それから、これからの課題図書を教えてもらって合宿を終了した。

3日間濃厚であった。じっくり消化していこうと思います。

それには更なる努力が必要だろうなぁ・・・

 

僕自身の見解では、関さんのコーヒーを例えるなら、

コーヒーのいわゆる御三家が大活躍しているころから流れているメインストリームの

川底に原石が転がっていて、ソレを関さんが見つける。

原石をこれでもかと鍛えなおして精密につくりあげられたようなもの。

 

わかりやすい美術品でいうと、世界観は台湾の故宮博物館にある翠玉白菜(すいぎょくはくさい)のような感じ。

原石を見つけ、これでもかと技をこらした精密な彫刻。

細かく見れば見るほど、ため息が漏れるような。

ごしゃーーーっとしておらず、あくまでも繊細、緻密、作りこまれている。そういう感覚。

そのための生豆。

そのための焙煎。

そのための抽出。

という感覚だ。

ランブルのコーヒーを十分に知ったうえで飲むとより世界観が詳しくわかるんじゃないかなぁー

盛岡へ行った際にはぜひぜひ機屋へどうぞ・・・

帰り際の記念撮影

帰り際の記念撮影

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